
こんばんは、サカイヨーキです。
近年はようやく、体罰や虐待に対しての目が厳しくなってきましたね。
しかし、いまだに過去の親のしつけが原因で自己肯定感が低いままの人や、上司の説教に心が折れそうな人は大勢います。
自己肯定感を下げる人とは、心を守るためにもできる限り距離を取っていきたいところです。
そこで今回は、「怒る(おこる)」と「叱る(しかる)」の意味の違いを見ていきたいと思います。
違いを正しく理解して、自己肯定感を守れるようになりましょう。
- 「怒る」と「叱る」の違い
- 「怒る」と「叱る」の違いを見抜くポイント5選
- 正しい叱り方とは?
「怒る」と「叱る」の言葉の意味とは?

最初に、「怒る」と「叱る」の言葉の意味を見ていきます。
「goo辞書」から引用してみました。
【怒る】:1 不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表す。腹を立てる。いかる。
2 よくない言動を強くとがめる。しかる。
【叱る】:目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。
「怒る」の2番の意味合いでは、「叱る」と同義として使われていますね。

ですが、1番と比較すると「怒る」は「感情を表出させる」ことであり、「叱る」の「よくない言動をとがめる」性質とは違うことがわかります。
ひろゆきも「怒る」と「叱る」の違いを指摘

先日、元2ch管理人のひろゆきさんが、ひろゆきが警告する「自分の頭で考えられない人間を育てる親の言動」という記事を出していました。
そのなかで、「怒る」と「叱る」の違いはこのように説明されています。
いい叱り方はないんですが、「悪い叱り方」はあります。
それは、叱るときに大人が怒ることです。
これは子どもだけではなくて、上司が部下に対するときもそうかもしれませんが、叱ると怒るはまったくの別物。
怒るは、ただ感情的に腹を立てて相手にぶつけているだけなんです。
つまり、ひろゆきさんは感情的な「怒る」叱り方は、悪い叱り方と言っているわけですね。
また、こうも言っています。
子どもは大人が怒りの感情をぶつける相手ではありません。
躾、そして子どもの成長を促す教育ということであれば、適切な言い方で何がダメかを伝えなければいけないわけです。
「怒る」とは、自分の期待通りの言動でなかった場合に起こる「反応」です。
つまり、「叱る」とは違い教育を目的とした行為ではないんですね。
むしろ、アドラー心理学の観点からすると、「『怒る』のは相手を恐怖心で支配してコントロールしたいから」となります。

つまり、「怒る」のは目的が「相手のコントロール」になっているからです。
なぜ「叱る」のではなく「怒る」人がいるのか?

では、なぜ親や上司は「叱る」のではなく「怒る」のでしょうか?
大きく2つの原因が考えられます。
自分も同じようなしつけをされてきたから
これが理由として一番大きいと思われます。
本人も過去に叩かれたり怒鳴られたりして育てられたので、「叱る」つもりが「怒る」言動になっているわけです。
付け加えるならこのような人は、社会人になっても正しい子や部下の育成の仕方を自ら学ぼうとしなかった人ともいえます。
子どもや部下の育て方に工夫をこらそうとしない人に言われるのって、なんとなく受け入れがたいですよね。

相手が感情的になっているだけか、親身になって言っているかの違いは感覚でわかりますしね。
自分の感情をコントロールできないから
「怒る」人は、普段から怒りやストレスをコントロールできていない、もしくは無理やり抑えている人が多いです。
そもそも、同じ人が失敗をしたとしても、全員が全員「怒る」わけではありません。
「叱る」人もいれば「諭す」人も、「目をつぶる」人もいて、反応はそれぞれ違うものです。
なのになぜ「怒る」人がいるのかといえば、やはり本人がそもそも「怒りたい」状態だったから。
つまり、別の怒りや悲しみ、不安から感情の火種がくすぶっていたわけです。
たとえば「仕事で嫌なことがあった」「リストラさせそうで不安」などの気持ちが先にあり、ぶつける相手としてあなたがいたということ。

これでは、怒られた人が嫌な気持ちになるのは当然ですよね。
「怒る」人間か「叱る」人間かを見抜くポイント5選

とはいえ、本当に自分のことを親身になって「叱る」つもりで感情的になる人もいます。
そのような場合、一時的に落ち込みはするでしょうけど、相手の気持ちを汲んで言われた言葉も素直に受け取りましょう。
ですが、「怒る」タイプの人間の言動に心を揺らがせても自己肯定感が下がるだけ。
そのような人に関わらないために、「怒る」タイプが見せがちな言動から人間性を見抜くポイントをお伝えします。
ポイント①注意したあとの言動を観察する
「叱る」タイプの人は、相手の成長を目的にして叱っています。
ですので、叱って終わりではなく、そのあとは「雑談に戻す」「別の部分をほめる」など、最終的に前を向けるアプローチも必ず行います。
ですが、「怒る」タイプの人は目的が感情の発散なので、自分がスッキリしたらそれでおしまい。
結果、相手のミスは覚えていても、相手への振る舞い方や、相手から見た自分といった部分に意識が向きません。

「叱る」タイプの人と違い、
雑談もフォローが目的ではなく、
単純に怒ったことを忘れているだけだったりします。
ポイント②自分に厳しい人間かどうかを観察する
「叱る」タイプの人は、相手の成長のためなら嫌な役をかって出ます。
普段から自分がお手本となり、どのような姿勢で生きるのが望ましいかを背中で見せていきます。
一方、「怒る」タイプの人は自分がお手本を見せる意識はありません。
なかには自分は十分に成長しきったと判断している人もいて、そういう人は自分に甘く、他人に厳しくなりがちです。

単純に体を張っている人か、
向上心があるかどうかを見ていると、違いがわかりやすいです。
ポイント③話せばわかるかどうか
感情のままに「怒る」タイプの人は、いきなりトップギアで怒り出します。
もちろん、多少は我慢のプロセスはあるのですが、相手に段階を踏ませる配慮はありません。
「やんわり注意する」「少し強めに言う」などのプロセスを踏まず、気づいたときには怒り狂っているのです。
ですが、これを個人間ではなく国家間のやり取りに置き換えてみたらどうでしょう。
相手が突如怒り出して、軍隊を出動させて武力行使に出たら恐怖ですよね?
怒りや実力行使も時には必要ですが、あくまで交渉の余地がなくなったときの最終手段と考えるべきでしょう。

この点は、前段階である交渉の時点でどれだけ相手を理解しようとしたか?で判断できます。
ポイント④注意している内容が論理的かどうか
大前提として、人が注意されるのは道理から外れたり、順序を間違えたりしている場合です。
ということは、注意するほうはどのように道理から外れていたか、どう順序を間違えていたかを具体的かつ論理的に伝える必要があります。
たとえば、「人を叩いた」ことで注意するのなら、「なぜ人を叩いてはいけないのか」を説明して理解させないと意味がありません。
ですが、「怒る」タイプの人はこの論理的説得が苦手です。
このタイプの人について、ひろゆきさんはこう言っています。
「なぜ叱られるのかわかる?」と聞いて、その答えが間違えたら再び叱る……この問答を繰り返すと、
子どもは「間違えたら叱られる」と思ってしまうので、逆効果です。
これは「怒る」タイプの人が相手に自分で考えさせようとしてよくやる行為ですが、僕も逆効果だと思います。
なぜなら、この叱り方だと叱られたほうは「これを言えば正解」なワードを探し、早く会話を終わらせることしか考えなくなるからです。
ですが、しつけは決してクイズではありません。

同じ言動を繰り返さなくなって初めて意味があるのです。
ポイント⑤「しつけ」という言葉を使う
これは個人的な見解ですが、「しつけ」という言葉を使う人は暴力や人格否定を正当化しやすい人間だと考えています。
なぜなら、しつけという言葉を使うと、自分の言動を正当化しやすいからです。
しつけという言葉には、「相手を矯正する」意味合いが含まれています。
裏を返せば、「子どもや動物は最初は言うことを聞かないものだよね」とは考えていないので、暴力や人格否定に走りやすい思考であるといえます。
言葉として使ったら=アウトではないのですが、反対の「見守る」という言葉とどちらを多く使うか?を比較してみるとわかりやすいでしょう。

実際、虐待で捕まる人をニュースで見ていると「しつけ」という言葉を使い勝ちです。
正しい叱り方とはどんなものか?

ここまでくると、正しい叱り方はわかってきましたね。
正しい叱り方とは、
- 道理や論理で相手が理解できるよう言葉で伝える
- 叱ったあとは必ずフォローする
- 相手の成長を見守る
- お手本を背中で見せる
といった要素があります。
正しい叱り方に、怒る必要は一切ありません。
ひろゆきさんの言葉をお借りするなら、
そもそも体罰で覚えさせることができるのは「叱られる理由」じゃなくて、その事柄が「やってはいけないこと」というだけですしね。
躾や教育において、大切なのは「叱られる理由」をきちんと理解してもらうこと。
ということです。
僕はセラピスト時代に、まさにこの叱り方を実践している先輩に指導していただきました。
先輩は誰よりも長時間仕事をして、誰よりも改善点を見つけ出し、嫌われる覚悟を持って相手を注意し、最後には必ずフォローをする人でした。
そのような人に叱られると自分の至らない部分を受け入れやすく、自然とどう動けばよかったのかを考えるようになります。

怒られたショックや恨みで立ち止まる時間がないし、
正しく叱ることは意義深い行為だと僕は思います。
「怒る」人間から自己肯定感を守ろう

今回は、「怒る」と「叱る」の違いについて紹介しました。
怒る人間を変えることは難しいですが、これであなたも「怒る」人の言葉を真に受けて自己肯定感を下げる必要はないことがわかったと思います。
そして、「叱る」タイプの人を大事に人間関係を築いていってほしいです。
ちなみに、自己肯定感の低さで困っている人はこちらの記事も読んでみてください。
自己肯定感を高めやすくなります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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